リモーネ
第7章 ツツジ
「いつでも、好きなときにキスしてね。」
しばらく見つめあったあと、いきなり俺の両肩をつかんだかえではいつも通りの笑顔でそう言った。
そのまま立ち上がったかえでは素っ裸で、思わず服着てっていったのに!と叫ぶと、セナちゃんもだよ?と布団を剥がれ、じぶんも同じ状況であることに気がつき、再び叫んだ。
「だって、お風呂はいった後に部活んときの服着るのやでしょ?」
「え、あ、いや、まぁ、そ、そうなんですけど、せめてなんか、貸してくれるとか、あってもいいんじゃないかと…」
「え?なになに?彼シャツしてくれるってことぉ??」
「はっ!」
ニヤニヤとからかってくるかえでに初夜?のあとはなにか特別なことというか、もう少し、穏やかなものかと思っていた空想を打ち砕かれた。
「あ、それよりさ、今日午後から部活だからさ、一回セナちゃん家、行こうね」
「え、部活、無理ですよ多分こんな、こんなズタズタな体で…」
「そぉぉだねぇ~セナちゃん、めっちゃ腰振ってたもんねぇ」
「あぇ、い、や、そんな、ことは。ない、はず…いや、まぁそれはいいんですけど、かえではどうなんですか、体調、とか」
「俺?おれは絶好調!今なら全国制覇もできるかもってくらい元気!」
「うっわぁ…」
「ちょっと、セナちゃん、声。声に出てるから。せめて表情だけにして…。」