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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第6章 負けへんでっ!!

 僕が帰る準備をして、南門まで行ったんだ。


 門の前には、僕を呼び出したようなやつはいない。


 なに、誰もいないじゃん。まさか、あいつの嘘?


 門の前は、すぐ車道なんだ。


 すると、横断歩道の向こう側のたこ焼き屋から、なんと山本さんが手を振っている。


 その横には、ちょっとヤンチャそうな、感じの男。


 ソフトパーマをあてた亀田興毅みたいなやつ。真っ赤な長袖のシャツ着て、下は学生服だけど、ダボダボのやつをはいてた。


 てか、ワルじゃん。


 まさか、あれがマジックするの? 賞獲った?


 嘘だぁ……。


 こっちをみて「来い来い」と手招きしてるから、行かなきゃならない。


 いちゃもんつけられたら、どうしようって事を考えて、ちょっとビビりモードになるわけです。


 怖かったよ。


 僕は、ケンカするようなタイプじゃなかったし。


 でも、逃げるわけにはいかない。


 行きましたよ。


 するといきなり、その男から「なあ、それやったら、こいつにラブレター出したんは誰なん?」て、ほんま突然、言われたの。


 挨拶もなんもなし。


「いや、それ、僕が知りたいし……」


「お前が玄武やろ」


 そうだけど、先のセリフはそっちじゃない?


 次に言われたのが、「で、お前、俺になんの用だ」


 シンナーやってんのか、こいつ?


 なに言ってんのじゃなく、ラリ言ってんの?




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