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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第7章 中学卒業、そして高校に

 こんなうっかりミスで失格は嫌だ。


 だけど、名前とエントリー番号言ったら、すぐ入れました。なんの心配もなかった。


 来年は中学3年。受験だ。中学生活で、ここまでマジックが出来るのは最後かも?


 そう思うと、吐き気するほどの緊張が。


 小学生の出番待ちの子が泣きわめいている。


 低学年くらいの子だったかなぁ。


 一緒に出るはずの子がいなくなった。そりゃ泣くわ。


 よく見たらその子、僕と予選日が一緒だった、兄と妹のコンビ。


 妹が逃げたようで。裏方さんも大慌てで探す探す。


 そりゃ、子供が一人、行方不明みたいなもんだ。


 僕は祈った。このまま、長引いてくれと……。


 緊張のまま、小学生の部が終了。


 あれだけ泣きわめいてた小学生のあの二人が、ケタケタ笑いながら戻ってきた。


 見てる余裕なんてなかった。


 もう、自分との戦い。


 お腹も空かない。


 口が異状に渇くから、番号札を持って、ジュースを買いに出た。


 そこに、クラスメートの中嶋さん(銭湯の娘)と山本さんがいたんだ。



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