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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第2章 始めてみる

「あれ……変わった」


 河内さんは、僕に「覚えたカード、この中にあるかな?」と言って、カードを全て手渡した。


 中を調べると、覚えたカードが無いんですよ。


「あれ? ありません」


 すると河内さん、胸から封筒を出して「あ、無かったら、スペアがあるから、これを入れておくよ」と、中から、1枚のカードを出した。


 それが、僕の覚えたカードだった。


 さらに「ガンッ!!」とした衝撃。


 覚えたカードが別のカードに変化。それどころか、カードそのものが消えて、別の場所から出てきた。


 これは西くんの、カード透視の衝撃を軽く越えた。


 変化、消失、移動という3つの要素が組み込まれたカードマジックに、四年生の僕は呆然としていた。


 よく見ると、ガラスケースの中には、マジシャンがよく、箱やハンカチから出す、色鮮やかなくす玉や、いろいろな物が出る銀色の筒等が売られていた。


 そう、ここは手品の道具を販売している、マジックショップだったんです。


 こんなのが売ってるんだ……と、まるで洞窟に入って、隠された財宝を見つけたような気分だった。



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