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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第8章 偉大な人に会うも、横道に逸れるあの頃

 そして、店の職人仲間と一緒にストリップを見に来ていたら、僕が出てきて驚いたって話だ。


 しかも、おばちゃんと本番ショーをやったのが、この叔父さんだったというのも、いささかショックだったが……。


 二度目のおばちゃん登場に、店の職人をステージに押し上げて、自分だけ出てきたってのも、まあまあ悪意あるだろ。


 そして、二人でラーメン屋に入って、話を続けることになった。


「おい、なんで、あの舞台にお前が出てきたんだ」


「いや、マジックの営業だよ」


「お前、マジックやってんのか!? 仕事は?」


「一応、工場で働いてるけどさ……」


「お前、調理師になりたいって言ってたじゃないか。なんでマジックやってんだ」


 簡単に言えば、工場の稼ぎと、マジックのギャラも調理師学校にいくための資金にしたい。


 そんな話をラーメン屋さんでしていた。


 ラーメンをすすりながら、叔父さんは僕に言った。


「お前、親父さんの後継ぎになって、理容師になったらどうだ」


 理容師……そんな選択肢はまったくなかった。



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