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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第9章 貧乏〜貧乏〜

 で、いろいろと話をしているうちに、ラリ夫から、ある提案が出たんだ。


「でも、ちょうどいいときに出会ったよ。お前さあ、俺と組まない?」


「は?」


 突然、なんの話?


「コンビでやらないかって話だよ」


 コンビでやるということは……僕とラリ夫で!?


 水と油じゃん、絶対に混ざらないよ。


 一度は断ったよ。


「まあまあ、水と油でも、もし混ざったら、これは新しいだろ。マジックでは混ぜることが出来る。新たなネタを仕掛けないかって話だ」


 納得してしまった。


 だが、自分はなんの実績もない。あるのは、中学生の頃の大会だけ。


 何度も賞を獲り、海外のマジックの大会でも大きな賞を掴んでいるラリ夫とは、差が開きすぎている。


 それは混ざるのではなく、無理矢理にこっちが取り込まれてるのではないか?


 ラリ夫は時計を見た。


「9時30分……出ようか」


 食事を頂いて外に出た。


 エレベーターで1階まで下りると、紀伊國屋書店って大きな本屋がある。


 その横にでっかいテレビがあるんだ。


 そこで、ラリ夫が吠えた。



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