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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第9章 貧乏〜貧乏〜

 でも、材料も買えない。自分で仕掛けや道具を作る人は、研磨器や、いろんな電気工具も買ったりしている。


 聞いた話だが、歯科医が使う、歯を削るやつとか、歯科技工士の道具とかを購入して使っているマジシャンがいるんだよ。


 で、それを手に入れたり、使うために歯科技工士とか、歯科医師の資格を取った人もいるんだよ。


 その手のマジシャンに頼んで、裏で歯科とは無関係のマジシャンがその工具を手に入れて、固いものを削ったりして、ギミックを作っていたりする。


 または、特撮なんかの特殊メイクを学んで、マジックのネタを作る人もいる。


 僕はそんなお金がないなで、ひたすら、技法を練習した。


 ギミックを買うだけがマジックじゃない。技術やテクニックを練習するだけでも、マジックは出来る。


 だから、練習した。


 一人で、町に出て、街頭パフォーマンスをしたんだ。


 だが、人は集まらず、マジックを披露して稼いだのは、4千円程度。


 0が足りない。この差はなんだ?


 今では、理由がわかるんだけど、当時はわからなかった。



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