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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第9章 貧乏〜貧乏〜

 つまり、自分をアピール出来なかったんだ。


 緊張が出て、ネタだけをたんたんとしていただけだ。


 この時に、中学生の頃の大会を思い出していれば答えが出ていたのかもしれない。


 あの時は、必死で衣装がないことを逆手に取って、強引なネタを偶然に生み出して、それを大きく大雑把にしたことでウケた。


 これが賞を獲れる要因の1つにもなった。


 ふと、そこで思った。




 笑い。




 ラリ夫が必要としているのは、笑い、ユーモア?


 だが、それを必要とするならば、ラリ夫のマジックの良さを逆に殺してしまうのではないか?


 客として、マジックを見るならば、そのままの現象をそのまま見るのが面白い。真っ直ぐ見るってことだよね。


 まあ、日本人は、暴いてやるとか、マジックを見ると腹がたつとか、騙されたと思う人が多く、あまりエンターテイナーを見る感覚でない人が多いんですが、それでも、真っ直ぐ見てしまうじゃないですか。


 マジシャンはその現象を斜めに見るんですよ。


 まったく違う方向で考えるんですな。


 ところが、ラリ夫はそれをさらに削った考えをしてるんだ。


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