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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第2章 始めてみる

 百貨店は3日から開く。それが待ち遠しかった。


 2日は親戚がみんな集まって、ワイワイと楽しく過ごす。


 ここでもお年玉ゲット。


 だが、3日目の朝から、あることを聞かされる。


「今から鳥取に帰るで」


「えっ!?」


 そんなの聞いていない。


 鳥取は、父方の親戚の集まり。毎年は行ってない。


 今年は、3年ぶりに帰るってことになっていたらしく、親だけで話が進んでいた。


 3日って、百貨店が開くやん。


 手品道具買いに行けるやん。


 楽しみにしてたんやぞ!!


 突然の親父の里帰りに、朝から猛反発。


 お父さんの一言「行きたくなかったら、一人で家におれ」


 小学生一人、家族が帰ってくる5日の晩までなにが出来る。


 行くしかない。


 その間、ふてくされながら、ずっとプラスチックトランプをいじっていた。


 こうなったら道具が買える日がくるまで、高島屋の河内さんが見せてくれたマジックを考えようと……。


 当時は、マジックの技法なんて存在は知らなかった。


 なにか、機械的な仕掛けがあるのか?


 でも、それが思い付かない。まあ、小学生が簡単に思い付くようなら、マジシャンも苦労はしない。


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