テキストサイズ

奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第2章 始めてみる

 当時は大阪から鳥取まで、だいたい5時間くらいかかってたんじゃないかな?


 今みたいに携帯電話もDSも無いし、マンガかラジオで時間を潰すしかない。


 僕はずっとトランプで遊んでいた。


 お父さんはタバコが切れてイライラしてる。


 そうだ、電車の中でタバコ吸えた時代だったんだ。


 灰皿もついてたしね。


 次の駅で買いたくても、次まではかなりかかる。


 お父さんが「それ、貸してみ」と言う。


 なにするんだろ?


 お父さんにトランプを全部渡す。


 左手にトランプを表向きに横に持って、右手で、表面をこすってんだ。


 すると……。



 表のカードが変化したんだ。


「あれ?」


 そして、またこすったら、元に戻った。


 すると、お父さんの横に座っていた妹が「持ってたよ」と言い出した。


「こら、言うたらあかんやん」と言って、もう一度変えてみせる。


 妹がお父さんの手をつかんで、笑いながら「ほらぁ〜」と見せる。


 お父さんの右手にはカードが。


 つまり、右手でトランプの表面を隠した時に、1枚取っていたってこと。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ