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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第3章 調子乗り豆マジシャン

 そうは言っても、ぜんぜんわからない。


 西くんは付録の本から、大人数の前で出来る物ばかりをチョイス。


 そこに、ノートの切れ端をしおりにして挟んだ。


「僕は、この氷が出来るやつを、なんとか出来ないかなって思うんだけど」


 水が入ったガラスのコップに、くしゃくしゃにしたラップやセロハンを入れると、氷が出来たように見える。


「これを、このままやるんじゃなくて、なにか工夫をしようよ」


「工夫か……見せ方を変えるか、種を変えるか……」


 小学生にすれば、手品を考えること自体、科学者レベルの難しさがあった。


 あと、ロープ切り、増えるハンカチ、それともう1つあったんだけど、覚えてない。


 一人、二ネタやって、最後に大きな事をしようってことになった。


 しかも、2週間後に披露しなければならない。


 たしか、土曜日の4時間授業の2時間だけやって、あとはお楽しみ会にしたはず。


 僕は、氷と、ロープを受け持つことになった。


 西くんはハンカチが増えるのと、なんかもう1つ。


 ロープをどうするか?


 どこで手に入れるか?



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