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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第3章 調子乗り豆マジシャン

 氷だ。


 植物を引き抜き、洗面器にシーグラスをぶちまけ、無色透明のものだけを集めた。


 氷に見えるんだ。


 本物の氷は持っていけないから、これで代用。


 僕はこれを持って帰って、考えた。だが、答えはすぐに出た。


 水が固まったのが氷。


 それを手品で氷になったように、見せればいいわけです。


 お母さんが洗い物をしている時、スポンジをいつもの四角い容器に入れたのを見て、思い付いた。


「使えるっ」と思ったら、お母さんに頼んで、スポンジをわけてもらう。


 不透明なコップを用意する。その中にグラスに入った水を注ぐ。


 おまじないをかけて、不透明なコップに入れた水を、今度はグラスに入れる。


 だが、水は出ずに氷だけがグラスに入る。


 水は一瞬に凍りました〜て、手順です。


 不透明なコップの中に、スポンジを入れることで、水が吸収される。その中には初めからシーグラスの氷が入っている。


 それが、グラスにカラカラと音たてて落ちてくるのは、まさに氷。


 妹に見せたら、身を乗り出すように驚いた。



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