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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第4章 お父さんのお土産と西くんからのプレゼント

 しばらく僕は、その店員さんの下で、簡単ではありますが、マジックの基礎を教わりました。


 難しい技法とかは、習いませんでしたが、カードの持ち方、混ぜ方、ワンセットのトランプのことをマジック用語で「デック」と呼ぶなど、マジシャンなら当たり前に知っていることを教わりました。


 マジシャンになりたい。


 それを夢見るようになったのも、この頃からでした。


 ある日のこと。


 廊下に出てクラスの子と、プロレスの話をしていました。


 プロレスにも興味があった玄武少年。


 タイガーマスク(佐山聡)が人気あったんですよ。


 学校では、その話で夢中でした。


 すると、隣のクラスの女子同士が「うちの学年にすごいマジシャンおるん、知ってる?」


「あ、見た。あれ、すごいよねぇ」


 みたいなことを話していた。


 その二人は、4年生のころ、同じクラスだった子だ。


 やや、調子乗りが残っていたあの頃「僕のことかな?」なんて、思ってた。絶対に思ってた。


 いや、当時の僕が目の前にいて「思ってない」と言っても、「お前は絶対に思った」と強く反論してやる。



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