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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第4章 お父さんのお土産と西くんからのプレゼント

 よくよく聞くと、それは僕ではなく、3組にいる西くんの話だと言うことがわかった。


 6年になってから、マジックを学校でやったことがない。


 西くんは、あれからやっていたのだろうか?


 数日後、3組にいた女子が、僕に手招きしている。


 その子は4年生のころ、同じクラスだった子。


「ちょっと、来て来て」と呼ばれ、腕を引っ張られて3組に。


 西くんが座っている机の前に、連れてこられた。


「えっ、なに?」


「あんな、西くんの手品明かしてほしいねん」


「はぁ?」


 やはり、マジックで人気者になってたか。


 僕は以前、西くんと組んでマジックをしたことから、僕ならマジックの種がわかると思われて、連れてこられたのだ。


「久しぶりやな」と西くん。


 てか、普段その辺でも顔を合わせてるやん。


 なんも声はかけてないけど。


「え……僕、ここに来てなにするの?」


 よそのクラスの者が、たった一人、拉致されて、注目されている。


「玄武くん、僕の手品見る?」


 西くんは余裕綽々な表情で言った。


 そんな顔されてもなぁ……。



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