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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第4章 お父さんのお土産と西くんからのプレゼント

 その手順をキレイにやろうものなら、3つの技法がいる。


 徹底的に練習したはず。


 西くんにはかなわないなぁ……。


 この時の僕は、ただ、やり方を知ってるだけで、上手く出来なかった。それも、高島屋で見た、簡単バージョンしかしらない。


 なんとなく、いずらいので、帰ることにした。


「もう、帰るよ」


「え、なんで!? まだ早いよ」


「寄り道しちゃいけないんだ。だから、もう帰るよ」


 いるだけで、なんか惨めになる。


 マジックの本でも一冊2500円くらいしたんだ。


 西くん、それ持ってるし……。


 西くんは不思議なことが大好きだったんだよね。そこは、僕と共通していました。


 ただ、1つに興味を持つと、徹底的にのめり込むタイプだった。


 だけど、当時の小学生ののめり込み方じゃないよ。


 僕とは、次元が違いすぎる。


 だからと言って、マジックをやめるつもりはなかった。


 僕は僕なりに、マジックを続けるつもりだった。


 別れ際に、西くんが「これ」と言って、1冊の本を差し出した。



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