
ローズ学園
第1章 春太&快斗
僕は話し続けた。
「僕、もう分かんないんだよ。
キスされてるの見るの嫌だったって何。
自分が嫌だったとか、自己中とか何。
この、僕の心臓。
何でこんなにドキドキしてるの。」
なんでか分からないけど、涙が出てきた。
もう。今日は泣き過ぎだよ。
「快斗、分かんないよ。」
僕はベッドの上でうつむいて涙を止めようとするけど止まらない。
顔を手で覆って、正座みたいに座る。
「ごめん、春太…。俺、嘘ついた。」
嘘?
「忘れてくれとか嘘。ホントは受け止めて欲しかった。俺の気持ち。」
快斗が僕に近づいて抱きしめてくる。
太陽みたいな快斗の匂いが僕を包む。
あったかい。あたたかい。
「俺…ずっと、
春太の事が好きだったんだ。」
快斗が僕から少し離れて、まっすぐに目を見て話す。
快斗が僕の目の前に座った。
「中学1年生の時、同じクラスで初めて春太見た時、正直かわいいって思った。
それまで好きな人とかいなくて、女子といてもドキドキとかしなかったのに、春太見て、自分でもありえないくらいドキドキして、体中が熱かった。一目惚れだったんだと思う。」
快斗の言葉が耳から心に広がる。響く。
「でも、正直戸惑ったよ。」
快斗が困ったように顔を歪ませる。僕は快斗の話をただじっと聞いている。
そうすることしか出来なかった。
「男が男好きとかありえねえって。何回も思った。
でも、どんなにそう思おうとしても、春太への思いを消せなくて…。
側にいればいるほど好きになるだけだった。」
快斗の言葉がまっすぐで。胸に届いて。
顔が、体中が、熱い。
快斗が僕の頬に手を添える。少しひんやりしていて、気持ちいい。
優しくて、安心できる手。
綺麗な瞳が俺をまっすぐに見つめている。
「春太。
俺ら
春太のこと大好きだよ。
ずっとずっと大好き。」
