おれのオシゴト
第8章 7作目
『雅紀のいけない恋』
おれがまだ小さい頃、両親は
離婚した。
おれを引き取った母さんは
女手ひとつで17まで育ててくれた。
今日は18の誕生日、友だちと出掛けて
家に帰ると…サンタのコスプレをした
いけめんがリビングにいた。
おれは訳がわからず、リビングのドアを
閉めて頭の整理を始めた。
おれの知らない親戚?泥棒?
…それとも、本当のサンタ?!
ない頭をフル稼働させても答えなんて
出て来なくて…
すると、おれに気付いた母さんが
いけめんのサンタを紹介してくれた。
いけめんは櫻井翔さんっていって…
母さんの恋人なんだそうだ。
「雅紀くん、驚かせてごめんね?
お母さんとお付き合いさせて
いただいてます、櫻井です」
いけめんは爽やかな笑顔でおれの
手を握った。いや、握手か…
だけど、おれの心臓はどきどき
うるさくて…櫻井さんに聞こえて
しまうんじゃないか、と心配だった。
「お母さんから聞いてた通り!
雅紀くんかっこいーね」
櫻井さんの方がかっこいーです。
?おれ、男のひと相手に何?!
…きんちょーのせいだよ、きっと!
言い聞かせてその日はやり過ごした。
櫻井さんはそれから頻繁に家に来る
ようになって、おれともすっかり
打ち解けていた。
櫻井さんは28歳、おれはお兄ちゃんが
出来たみたいで嬉しかった。
結構、共通の話題も多くておれは櫻井さん
のことをしょーちゃんと呼ぶようになった。
母さんは会社の新年会らしく今日は帰りが
遅かった。
だけど、しょーちゃんは今日も家に来て
くれてご飯も一緒に食べた。
「雅紀、風呂入って来いよ?
俺ここ片付けとくわ!!」
しょーちゃんのおコトバに甘えておれは
お風呂に入った。
母さんの帰りは意外と遅く、
帰りを待てず、先に寝てしまった。
夜中、トイレに行きたくなって…
廊下を歩いてたらお風呂場のドアの
隙間から灯りが漏れていた。
しょーちゃん、お風呂かな?
おれは隙間から中を覗くと…
そこにはしょーちゃんがいて
…おなにーをしていた。