箱……漆
第5章 白雪姫
「貴彦君――――…まだ…体はダルいだろ?
なのに…
さっきのラブシーンに…興奮したのかい?
立派に勃起してるじゃないか」
俺は――――――…
あの…ぐったりした死体を…
美しいと…感じていた――…
あの時の―――――――…
母の様に――――…
交通事故で…血まみれではあったが…
俺を見つめる様に…
目を見開き…瞬きをしない…
母…
あれは……美しかった…
そして…先週…青白く…腐敗しかけていたが…妹の香も―――――…
美しかった――――――…
俺は―――――…
香の死の真相が知りたくて……
ここまで来てしまったが――…
すでに…
死体の魅力に―――――…
抜け出せなくなっている…