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第3章 疑いーENA sideー

今週はとにかく忙しくて、ドラマのキャストの顔合わせがある翌週までに衣装を揃えたり、雑誌撮影で使った衣装を返却したり、次号の雑誌のスタイリングの構想を練ったりとで、会社に寝泊まりして業務をこなしていた。


久しぶりに帰宅したのは雄一とご飯を食べた日から一週間程経った夜中だった。
玄関にいつも履いている雄一の靴はなく、寝室を覗いてみても雄一の姿はなかった。


仕事かなーーー


せっかく帰って来たけど、雄一も最近忙しいから…、しょうがないよね。


スーパーで買ってきた食材を冷蔵庫になおしたり、一週間分の自分の服を洗濯機に入れたり、軽く部屋を掃除して。


一通りの家事を終えソファーで一息つくと、ふと違和感を感じた。


雄一…、この一週間1回も家に帰って来てない…???


家の状態が一週間前と変化がない…ような…


「浮気でしょ、確実に」
「え~、そうなのかなぁ… 地方のロケが急に入ったのかも…」
「いくら一週間帰れないって言ってあったとしても、急に地方になったら連絡ぐらい入れるでしょ」


ドラマの衣装合わせの為、今芹菜と私は借りて来た衣装を衣装室に運んでいるところ。
そして衣装を掛けながら、芹菜に昨日の事を聞いてもらっていた。
男は基本浮気するものだという先入観がある芹菜は浮気だと断定してるけど、私は雄一を信じたかった。


「そうだけど…。 でも私は…、雄一を信じたいよ。」
「今までそーゆー事あったの???」
「ない…、私が長期で留守になる時に雄一が地方になった時でも絶対連絡くれた…」


確かに…、今までこんな事なかった…

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