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第3章 疑いーENA sideー

「芹菜だって、私が担当してるモデルの男の子達から芹菜の事よく聞かれるよ」
「えー!! なで言ってくれないの!!」
「芹菜芸能人に興味ないでしょ」


芹菜の好みはよく分かってる。
安定した収入がある人じゃないとダメって前に言ってたし。


「全く興味ない」
「ほらー」
「公務員が一番よ。 てか話逸れてるじゃん。 大森くん。 感じの良い人だし、内田さん浮気してるし、絵那も大森くんに乗り換えれば~」


乗り換えって…


「だーかーらー、浮気してないってば」
「しーてーまーすー」
「しーてーまーせーんー」


あー話が前に進まない。


今週はドラマの撮影と雑誌の撮影が被ってるから、また帰れそうにない。
雄一の事は信じてるけど、余りに芹菜に言われ過ぎるとちょっと不安になっちゃうよ。


でも芹菜と西埜くんに言われた、大森くんが私に気があるかもしれないという不確定情報が何故か頭の中から離れなくて、雄一に後ろめたさを感じてしまってる分、会えない事に変に安心してる自分もいる。


頭の中がぐるぐるしてる状態なまま、翌日は西埜くんとの雑誌の仕事。


「あっ、絵那さん、今度駆が出るドラマの衣装担当なんでしょ。 駆めっちゃ喜んでたよ」
「えっ、あっ、うん、そーなんだー…」
「何!? 何どもってんの!? もしかして駆と何かあった!?」


言われるような予感はしていたのに話を振られると何故か動揺してしまう。


「何もないよ!! ただ…、同僚のスタイリストにも言われた…」
「あ、芹菜さん??? あの人可愛いよねー、俺あの人タイプだわ」
「あー、芹菜は業界人には興味ないから」


西埜くん、芹菜みたいなタイプが好きなんだ。


「なんだー、ちぇー。 えっ、それで、その芹菜さんに何て言われたの」
「えっ、あー、なんか…、大森くんが私に気があるんじゃないかって…」
「ほらー!! でしょー!? 俺もそう思うよー」


せっかくそれた話が元に戻ってしまった…


「今仕事一緒だし、周りにそんな事言われちゃうと変に意識しちゃうよ、本人に言われた訳でもないのにさー」
「ごめんごめん、いやでもマジで気あると思うよ。 芹菜さん勘良いよね」
「いやほんとにやめてってば」


もうほんとに勘弁してほしい。

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