テキストサイズ

if

第2章 出会いーKAKERU sideー

撮影は順調に進み、今日は午後から講義があるので、スタジオの控え室で課題をしながら時間を潰していた。


「失礼します。 お疲れ様でした。 衣装引き取りにきました。」
「あっ!! 絵那さん!! 今日はありがとうございました」


俺がまだ帰って無い事に驚いていた絵那さんだったが、大学に行っていると言うともっと驚いていた。
俺が衣装で使ったブルゾンを買い取りたいと言ったら、似合ってましたよーと微笑みながら渡してくれた。


初対面のスタイリストさんから衣装を買い取るのは初めての事だったけど、今回の衣装は全部買い取りたいぐらい格好良かった。
また一緒に仕事させてもらいたいな…ーーー


午後からの講義を受けて、夜からはメンバー全員で新曲の為のダンスレッスン。


「初めての一人でファッション雑誌、どうだった???」


レッスンスタジオに入るなり、耀の方から今日の撮影の事を聞いてきた。


「緊張した~~。 でもスタッフさんみんな良い人で、リラックスしながら出来た」
「そうそう、男向けのファッション雑誌のスタッフさんてさばさばした人ばっかだから、アイドル誌とかより、全然やりやすいっしょ???」
「うん。 そうそう、絵那さんがめっちゃセンス良くて。 このブルゾン、お買い取りしたやつなんだけど」


大学の友達にも『どこで買ったの!?』と評判の良かったブルゾンを耀にも見せた。


「いや、いつもと雰囲気違うなーと思ってたんだけど、さすが絵那さん!! めっちゃ似合ってるじゃん」
「買い物行ってもなかなかいいの見つからないのに、初対面で宣材写真だけで俺に似合うの見つけてきてくれるんだよ!? 絵那さんすごいよね」
「俺もよく買い取りするよ。 てか初対面て言ってなかった!? もう絵那さんて呼んでんの」


やっぱり耀も絵那さんからよく買い取りしてるんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ