
LOSE and ABTAIN
第3章 Hide the trueth
紅葉は、星太が真実を告げることに、複雑な感情を持っているんだと思った。『思った』と言うより、わかった。
星太がなぜそのような感情を持っているのかは分からないが、それを持っていることは確かだ。
星太は『俺のせいで』と言っているが、それは星太のせいじゃないということは明白だった。
星太はそういう人だから。そんなことは生まれた時から知っているし、そういう時は大体紅葉が傷つくから隠したり、ウソを吐くのであって、自分の私利私欲のために行動をしているのではないから、紅葉は尚更真実を聞けなくなる。
「紅葉、ごめんな。俺と居るのが嫌になったらすぐに言えよ」
突然そんなことを口走る星太の気持ちは、紅葉には解らない。
でも、紅葉は『絶対に嫌になることはないって誓える。』そう思っていた。
