
甘い記憶
第5章 盲愛
「好きです。付き合ってください。」
鹿野詩織は、突出してかわいいわけでもスタイルがいいわけでもない。大学内で目立った行動をしているわけでもない。どちらかといえば内向的な性格だ。
シンプルな言葉で、詩織の目をまっすぐ見て告白をしてきたのは、藤岡麗。彼はモデルのようなスタイルに、中性的できれいな顔立ちに柔らかい雰囲気を纏っていた。
最初は驚いたものの、あの告白から約半年、なんだかんだで仲良くやっている。今日も、2人はデートで晩ごはんを食べた帰り道だ。
「おいしかったね〜」
「うん。また一緒に来ようね。」
一緒に、と言われたのが嬉しくて、笑顔だった詩織の顔がさらに明るくなる。
そこで、携帯の着信音が鳴った。麗の携帯だ。麗はチラッと画面を見て、すぐに切った。
「電話、よかったの?」
「ああ…どうせ食事の誘いだよ。」
「……もしかして、中井さん?」
「…うん。」
中井とは、最近麗を狙っている女の子で、2人の大学の先輩だ。麗には詩織がいるとわかっていながらもしつこく狙っているらしい。
「ごめんね。大丈夫。あとでLINEで謝っておくから。」
麗が申し訳なさそうに笑いかけた。
鹿野詩織は、突出してかわいいわけでもスタイルがいいわけでもない。大学内で目立った行動をしているわけでもない。どちらかといえば内向的な性格だ。
シンプルな言葉で、詩織の目をまっすぐ見て告白をしてきたのは、藤岡麗。彼はモデルのようなスタイルに、中性的できれいな顔立ちに柔らかい雰囲気を纏っていた。
最初は驚いたものの、あの告白から約半年、なんだかんだで仲良くやっている。今日も、2人はデートで晩ごはんを食べた帰り道だ。
「おいしかったね〜」
「うん。また一緒に来ようね。」
一緒に、と言われたのが嬉しくて、笑顔だった詩織の顔がさらに明るくなる。
そこで、携帯の着信音が鳴った。麗の携帯だ。麗はチラッと画面を見て、すぐに切った。
「電話、よかったの?」
「ああ…どうせ食事の誘いだよ。」
「……もしかして、中井さん?」
「…うん。」
中井とは、最近麗を狙っている女の子で、2人の大学の先輩だ。麗には詩織がいるとわかっていながらもしつこく狙っているらしい。
「ごめんね。大丈夫。あとでLINEで謝っておくから。」
麗が申し訳なさそうに笑いかけた。
