テキストサイズ

君の隣

第2章 想いーKOUKI sideー

「いや、知り合いっつーか…、ほら、前話してた…」
「えっ、もしかして乃南ちゃんの好きな奴!?」
「うん…」


遠目ながらに何をしているかは一目瞭然で、それを目の当たりにして若干ひいている様子の蓮。


「え…、趣味悪くね??? こんな公衆の面前であんな事できるような奴。 彼女??? あれは」
「いや、前ここ来た時は違う女の子と居たから違うと思う」
「更に印象悪いわ。 滉樹それでいい訳???」


嫌悪感を顕にしている蓮。
見た目は派手だが恋愛に対して一途な蓮は、こういうタイプの奴が1番嫌いなようだ。


「いやー…」
「俺だったらヤだわ、好きな女があんな男の事好きとか」
「まぁ…、大学ではあんな感じじゃないから知らないんだろうけどね、彼女は」


俺だって嫌だけど、実際どうしたら良いのか分からない。


「それ、乃南ちゃんに気付かせてあげた方がいいんじゃねーの???」
「でも俺ほとんど彼女と話した事ないんだよ???」
「そんな事言ってる場合かよ。 次にここ来た時にあの目の前にいる女が乃南ちゃんになっちゃっててもいいのかよ」


それは困る。
そんな事…想像するだけで吐き気…、いや想像すらしたくもない。


「でも…、どうしたらいいか分かんないよ」
「いや、視界に入るとか、見てるだけじゃなくて、行動起こさなきゃダメだろ」
「でも一応芸能人な訳だしさ、彼女に迷惑かかるでしょ」


大学ではそこそこに騒がれる俺なんかに近寄られたりしたら彼女に迷惑が掛かるだろう。
でも、安浦が行動を起こす前に何とかしないと…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ