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神様の願い事

第3章 変化

《sideS》



和「や、でもホント焦ったんだから」

潤「ニノ棒立ちだったしね(笑)」


今日の仕事はあの2人が一緒だ。


和「おかしくなっちゃったのかと思ったよ(笑)」

潤「俺が?(笑)」


あの2人はゲストで俺はMC。
だからあの2人は絶賛打ち合わせ中の俺を横目に、隅っこで顔を寄せ合って雑談している。


「櫻井さん聞いてます?」

翔「ああはい」


隅っこで隠れているつもりだろうか。
先に打ち合わせが終わって、邪魔にならないようにするねと移動してたけど。


潤「や、でもあれはヤバいでしょ」

和「だよね(笑)」


コソコソしている。
確かに小声で邪魔にならないようにコソコソとはしてるんだけど。


和「でも潤くんがいてくれて良かったよ。1人だったらマズかったかもしんない」

潤「ははっ、ニノすんごい顔して見てたもんね」

和「ええ? 嘘だよ(笑)」


だけど俺にはわかる。
他の人には聞き取れないかもしれないが、俺には分かるんだ。
伊達に何年もアイツらの声を聞いてきた訳じゃないんだから。


和「潤くんの方が酷かったじゃん。すっごいエロい手つきでさ」

潤「エロくねえし(笑)」


なんの話をしてるんだ。
俺は進行を頭に入れとかなきゃいけないってのに。


潤「でもニノだって、棒立ちだったのに急に甘い声出してさ」

和「甘いってなによ(笑)」

潤「“イイコだからゆっくり寝るんだよ”とかなんとか言って頭撫でてたじゃん(笑)」


雑談なら他所でやってくれ。


和「だってあんなあどけない寝顔見せられちゃったらさあ」

潤「まあ、わかるけど」


...ん? その話、何か覚えが。


和「無垢ってか、なんか赤ちゃんみたいだよね」

潤「それ(笑)」


聞いた事は無い筈だが、何か覚えが。


「ねえ櫻井さん。聞いてます?」

翔「あっ、はい」


視界の隅に、チラッと俺の様子を伺う2人が見える。


潤「ごめん翔さん、うるさかった?」

和「気が散っちゃうみたいだから出てくね。いこ、潤くん」

潤「うん」


ニノが松潤と手を繋ぐとかあんまり見ないのに。

何故か今日は楽しそうに手を取って、弾むように部屋から出て行った。



そんなの相葉が見たら泣くぞ。







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