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神様の願い事

第4章 誤解

《sideS》



やべえ俺。顔がやばい。


潤「で? 何か用事あるの?」

智「まあ、うん。ちょっとね」

和「ふうん?」


クソ熱いなと思ったら真っ赤じゃねえか。


雅「ね? 赤いでしょ?」

翔「ああ、うん(笑)」


鏡に映して火照りを確認していた。
その俺の後ろからは相葉くんが、智くんの後ろでは松潤とニノが。


智「じゃ、お先~」

和「え、どうやって帰るの?まだマネ来てないよ?」

智「今日はタクシー」

潤「送ってこうか?」

智「や、大丈夫。行くとこあるし」


その会話に振り向くと、智くんは既に着替えを終えて部屋を出ようとしていた。


潤「そうなの?」

智「ん、ありがとね。じゃあお疲れ~」


パタンと閉まるドアの前で、怪訝そうな顔をした松潤とニノが顔を見合わせてる。

コッチは挙動不審にならないようにと必死だと言うのに、何も知らない智くんは颯爽と出て行ったし。


雅「あ、また...」

翔「ん?」


先日の智くんが脳をチラついて困る。
いや智くんじゃ無いんだけど。
困るって言っても、それも俺のせいなんだと重々承知はしてるけど。


和「...どうする?」

潤「うん...」


相葉くんの不安そうな声に誘われて、ドアの前の2人に視線をやった。


潤「じゃ俺らも帰るね。お先~」

雅「えっ」

和「お疲れ~」

雅「にっ、ニノも?」

和「...アナタまた違う現場行くんでしょ?」

雅「あ、うん」

和「これあげるよ。頑張ってね」


不安そうに立ち竦む相葉くんは、エナジードリンクを握らされてた。


雅「ニノ、あいつやっぱり...」

翔「やっぱりって?」


握ったエナジードリンクに語りかける相葉くんは何故か悲壮な顔をしているし。


翔「あぁ...」


ほんの少し気を緩めただけでまた智くんの顔が浮かんでくる。


雅「翔ちゃんっ」

翔「え、はいっ」


やべえ、だらしない顔がバレたか。


雅「ちょっとお願いがあるんだけどっ」

翔「え?」


良かった、智くんを思い出してデレてた事はバレていないようだ。


いやだから。


あれは智くんじゃ無くて神様だと。


何度言えば理解するんだ俺の馬鹿。







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