テキストサイズ

神様の願い事

第7章 謎のオバケ

《sideM》



唇を押さえ、ニノがぽてぽてと戻ってきた。


潤「...どうだった?」


俺の隣では、開いた口をそのままに佇む相葉さんが。


雅「...っ、ちょ、見せてっ」


お、動いた。
漸く我に返った相葉さんがニノの手をどけ、その唇を露わにした。


雅「あ...」


手をどけると、リップでテカテカに光ったニノの唇が。


雅「ま、まさか」

潤「そっか、キスでリップ分けて貰ったんだ...」


と思ったら、ニノは口をへの字に曲げ頭をぷるぷると降る。


和「俺もそのつもりで言ったんだよ」

潤「うん」

和「なのにあの人馬鹿だからさ。俺の頭掴んでリップをグリグリと」

潤「塗られたんだ」

和「うん」

雅「あ、なんだよ。そっかぁ…、はは、良かった...」


“よくねえよ”と拗ねるニノは、安堵している相葉さんを少し蹴った。


雅「いてっ。...て、じゃあ、次は俺が行く?」

和「相葉さんはいいよ」

雅「どうして?」

和「普段スキンシップの多い俺にもしなかったんだよ? 相葉さんじゃ無理」

雅「わかんないよ? 逆にって事があるかも」

和「どう逆なんだよ」


なるほど。
本当にニノはひねくれてるな。
嫌なら嫌と、素直に言えばいいものを。


雅「まぁ見てろって。俺がリーダーの唇を奪ってくる!」

和「そうなったら論点がもうズレてるでしょ...」


溜息を吐いて俺をチロッと見上げるから、助けてやるとするか。


潤「俺が行くよ」

雅「ええ~」

潤「大丈夫、自信あるし」


それ程の自信って訳でもないが、無くもない。


和「どんな手で行くの? あの人馬鹿だから回りくどい事しても気付かないよ?」

潤「ふふ、秘策がある」

雅「秘策?」

潤「一緒に悩んでくれる人だからね。たぶんイケると思うよ?」

雅「ふうん?」


少し変な顔をするニノと、きょとんとする相葉さんを置いて俺は楽屋に入る。

ガチャ...と静かにドアを開けて、ゆっくりと歩く。

床を見ながら握りこぶしを顎に当てて。


智「...松潤? どうかした? 悩み事?」


やっぱりだ。


潤「ん...、ちょっと、ね...」



心配そうに俺を見るその瞳、もうすぐ俺が吸い込んでやるよ。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ