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神様の願い事

第7章 謎のオバケ

《sideA》



何を試すって?


和「じゃあまず俺からね」

潤「うん」


楽屋の前に辿り着くと、部屋にも入らずドアの前で中の様子を伺う。
今のところ中にはリーダーひとり。


雅「え、試すってまさか」

和「そう、まさか」

雅「ちょ、ちょっと待ってよ。ニノ、リーダーとキス出来るの?」

和「俺ぇ? 俺は、大野さんなら...」


こら待て。なんで頬を染めるんだ。


潤「早くしないと翔さん来ちゃうよ?」

和「だね。行ってくる♪」

雅「ちょ、ニノっ」


俺の手を振りほどき、ぴょこぴょこと楽しそうに楽屋に入って行った。


潤「微かに聞こえるよ」


心配そうな顔をしていたのだろう。オレを気遣った松潤が、ドアの隙間から中を覗かせてくれるんだ。


和「大野さん」

智「あ、ニノ。今日は早いね」


キョロキョロと辺りを伺うリーダーは、俺達の姿を探しているようだ。


和「まだ皆来てないよ」

智「あ、そうなの?」

和「ねえそれより」

智「ん?」


あんなに楽しそうに楽屋に飛び込んだのに、ニノの様子は少し大人しくて。
ぐっとリーダーに距離を詰めるんだ。


和「俺の唇見て」

智「唇?」

和「ん、どうなってる...?」


なんだあのエロい声。聞いた事無いんだけど。


智「どうって...、いつも通り可愛いよ?」


く~っ。リーダーもなかなか歯の浮いた台詞を。


和「じゃなくてさ、荒れてない? 痛いんだよね...」

智「そう...?」

和「アナタの唇ぷるぷるじゃん? 俺にも、塗ってくれない...?」


かなりの至近距離だ。
その至近距離で、リーダーがニノの頬を掴んで唇に見入っている。


智「そんなに痛いの?」

和「うん」

智「...じゃあ、分けてやるよ」


顔の角度を変え、ニノの後頭部でリーダーが見えない。
だけどニノの後頭部から斜めに覗くその髪は、かなり距離が近い事を示していた。


智「ほら、動かないで...」


リーダーのしなやかな手は、ニノの後頭部を掴むんだ。


その光景に、俺は開いた口を塞ぐ事が出来なかった。





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