神様の願い事
第7章 謎のオバケ
《sideO》
「どうした? くの字になっておるぞ」
智「っせえな…」
「ああ」
“神様助けて”とぎゅっと目を閉じた。
そして次の瞬間目を開けたら、俺は自宅に戻っていた。
「若いから。いやあ、まだまだ元気じゃのう」
ふぉっふぉと笑うじいちゃんはとてつもなく呑気で。
智「何を笑ってんだよ。大変だったんだからな」
一体誰のせいでこんな事になったと思ってるんだ。
「で? 何故逃げたんじゃ」
智「何故って…」
また当たり前の事を聞く。
翔くんに触れられて俺がこんな反応を示しているなんて、バレたら一貫の終わりだ。
智「て、いうか」
「なんじゃ」
智「じいちゃんって、神様なの?」
只のお節介なオバケかと思っていたが、よくよく考えれば不思議な事だらけだ。
「へ?」
智「だって、“神様助けて”って思ったらココに」
お節介なオバケというのも、元々おかしな話なんだけど。
「まあ、おぬしにとっては、神様になり得るかも」
智「んぁ?」
クスクスと笑う鏡はやはり呑気で。
智「ったく、じいちゃんのせいで困ってるって言うのに。呑気すぎない?」
「おぬしもじゃろ」
智「俺?」
「我ながら呑気すぎて情けないわ」
智「はあ?」
確かに、呑気だねとか言われる事もあったりするけど。
智「我ながらってどういう事だよ。呑気なのは認めるけど」
またじいちゃんは、俺に自分を重ねるんだ。
「ふふ」
その優しそうな笑い声は、なんだか心が安らいで。
「性格は、簡単には治らんという事かな」
智「へ?」
「だってワシも、未だに“呑気だね”と言われるからの」
智「なんだそれ…」
どうしてこんな不思議なオバケに取り憑かれてしまったんだろう。
「だが、手を貸すのはこれまでじゃ」
智「へ?」
「次からは、己で考え己で行動するのじゃ」
智「はぁ...」
手を貸して貰った覚えなんて無いんだけど。
迷惑なら、存分に被ってるけどな。
「どうした? くの字になっておるぞ」
智「っせえな…」
「ああ」
“神様助けて”とぎゅっと目を閉じた。
そして次の瞬間目を開けたら、俺は自宅に戻っていた。
「若いから。いやあ、まだまだ元気じゃのう」
ふぉっふぉと笑うじいちゃんはとてつもなく呑気で。
智「何を笑ってんだよ。大変だったんだからな」
一体誰のせいでこんな事になったと思ってるんだ。
「で? 何故逃げたんじゃ」
智「何故って…」
また当たり前の事を聞く。
翔くんに触れられて俺がこんな反応を示しているなんて、バレたら一貫の終わりだ。
智「て、いうか」
「なんじゃ」
智「じいちゃんって、神様なの?」
只のお節介なオバケかと思っていたが、よくよく考えれば不思議な事だらけだ。
「へ?」
智「だって、“神様助けて”って思ったらココに」
お節介なオバケというのも、元々おかしな話なんだけど。
「まあ、おぬしにとっては、神様になり得るかも」
智「んぁ?」
クスクスと笑う鏡はやはり呑気で。
智「ったく、じいちゃんのせいで困ってるって言うのに。呑気すぎない?」
「おぬしもじゃろ」
智「俺?」
「我ながら呑気すぎて情けないわ」
智「はあ?」
確かに、呑気だねとか言われる事もあったりするけど。
智「我ながらってどういう事だよ。呑気なのは認めるけど」
またじいちゃんは、俺に自分を重ねるんだ。
「ふふ」
その優しそうな笑い声は、なんだか心が安らいで。
「性格は、簡単には治らんという事かな」
智「へ?」
「だってワシも、未だに“呑気だね”と言われるからの」
智「なんだそれ…」
どうしてこんな不思議なオバケに取り憑かれてしまったんだろう。
「だが、手を貸すのはこれまでじゃ」
智「へ?」
「次からは、己で考え己で行動するのじゃ」
智「はぁ...」
手を貸して貰った覚えなんて無いんだけど。
迷惑なら、存分に被ってるけどな。