テキストサイズ

神様の願い事

第8章 半猫人

《sideM》



雅「どう?」

潤「うん、寝てる」

和「よし」



楽屋のドアの前に張り付いて、中の様子を伺う。
すると、当たり前のようにソファーに転がるリーダーがいた。


雅「ふふ、気持ちよさそう」

和「しっ、起きちゃうでしょ」

雅「あ」


“ごめん”と片手で口を押さえる相葉さんの元には、スヤスヤと可愛い寝息を立てるリーダーが横たわっている。


潤「じゃあそろそろ、いく?」

和「うん」


三人で目を合わせたのを合図に、ニノがリーダーの肩を揺さぶった。


和「ねえ、ねえってば」

智「んぁ?」


パシパシと瞬きをし眠そうに目を開けるリーダーは、少し眉をしかめながら俺達を見回す。


雅「神様、なんでココにいるの?」

智「へ?」

和「あ~、大野さんと同じ顔してるから? だから通れちゃったんだ?」

潤「相葉くんに聞いたんだけど、神様ってリーダーに変身出来るんでしょ?」

智「え」


ソファーから身を起こしかけたリーダーは、中途半端な体勢で停止した。


雅「ほら、翔ちゃんちで会ったじゃん」

和「こんなにそっくりなら、そりゃ騙されるよ」

智「あ、あ~...」


話を理解したリーダーは、漸くしっかりと身体を起こして。
それで、ゆっくりと口を開き出した。


智「そ、そうなんだよね~。なんか呼ばれた気がして来ちゃったんだけど、こんな場所だったから変身を、ね」


なるほどな。これで確定だ。


和「えぇ? 誰か呼んだぁ?」

雅「ううん」

智「おかしいなぁ」


まぁ、すっとぼけやがる。
だけどそんなタヌキ芝居もこれまでだ。


潤「あれ? てか、耳生えてなくない?」

和「ほんとだ。尻尾も無い」

雅「まんまリーダーだね?」

智「え」


ペタペタと頭を触るリーダーは、俺達をチラッと見ながら何やら力を込め始めた。


和「はいもぅだめ~」

智「あ」


ぎゅっと握った拳をニノに取られ、体勢を崩す。


和「出そうと思ったでしょ」

智「い、いや」

潤「今更出しても遅いよ」

雅「もう見ちゃったもんね?」


愕然としたリーダーは、この世の終わりみたいな顔をするんだ。


智「あ、あぁ! 俺、完璧に変身出来るようになったんだ!」


このタヌキ、以外と諦めが悪いな。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ