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神様の願い事

第8章 半猫人

《sideN》



俺達は最終段階にきていた。
それぞれ思い思いの推理を持ち出し、結局はやはり相葉さんの直感を信じる事にしたんだ。


和「あきらめなさい」


しかし頑固な大野さんは意外にも諦めが悪い。
簡単に罠に掛かったわりに、無理な抵抗を試みる。


智「う」


漸く諦めたのか、ちんまりとソファーに座って俺達を恨めしそうに見た。


智「なんだよ…。騙したの?」

潤「騙したのはそっちでしょ」

智「くっ」


どうやら痛いところを突かれて言葉も出ないようだ。


和「あの黒猫も?」

智「う~...」

潤「返事出来ないってことは、やっぱそうなんだ?」

雅「すっごいね! 俺、完全に騙されちゃった(笑)」

和「いや、笑ってる場合じゃないでしょうよ。アナタ相談してたんでしょ?」

雅「あっ、そうだよっ。酷いよリーダーっ」

智「ご、ごめん」

潤「恥ずかし~...(笑)」


まあ、いいけどね。リーダーだし。と、訳の分からない理由を付けて相葉さんは納得した。

で、それは置いといて。


和「まだ治る気配無いの?」

智「無い」

雅「てか、リーダーってそもそも神様なの?」

智「んなバカな」

潤「正体は? 人間、猫、どっち?」


え、そこは普通に人間だろ。
相葉さんはともかく、最近は潤くんまで考え過ぎて頭がおかしくなってるっぽい。


智「人間だよ」

潤「あぁ、よかった」

雅「猫だったらさ、俺らずっと猫と仕事してたって事じゃん。ヤバくね?」


お前のアタマがな。


和「で、おじいちゃんは? その後出てくるの?」

智「え、なんで知って」

和「おじいちゃんに言われたんでしょ? “本当の幸せを見つけろ”だっけ?」

雅「俺らも知ってるよ? だって会ったもんね?」


潤くんに向かって相葉さんは同意を求める。
すると潤くんも“ウン”と頷いて。


智「え、会ったの?」

和「うん」

智「見たの? じいちゃんの姿」

潤「え? リーダーも見たでしょ?」

智「見てない」

潤「は?」


おじいちゃんに猫にされたと言っていたのに。
なんなら翔さんだって会ってるのに。


智「声が聞こえるだけで、姿は見た事無い」



大野さんは、あのおじいちゃんが誰なのか分かってないんだ。



だからこんな、くっそ遅い展開になってるに違いない。





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