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神様の願い事

第8章 半猫人

《sideM》



智「コラ、仕事場だぞ」

雅「あ」


実は俺も隅でずっと見ていたが、漸く到着したリーダーにすんなり見付かってた。


和「違うよ、相葉さんが」

智「違わなくないだろ。紅いほっぺしてさ」

和「相葉さんのせいだからなっ」


トコトコと楽屋に向かうリーダーに、ニノはちょこちょこと絡まるようについていって。
放置された相葉さんはポカンとしてた。


潤「ニノは小悪魔キャラなんだね」

雅「ふふ、可愛いでしょ」


可哀想だと思って声をかけたのに、すっかり色ボケてた。


潤「幸せそうでなによりです」

雅「ありがと♪」


ニヤけ顔の相葉さんを引き連れ楽屋に向かっていると、後ろから声がした。


翔「智くん来たの?」

潤「今来たみたい」

翔「わかった」


後ろにいたのに俺達を抜かして足早に楽屋へ向かう。
そのスピードは相当で、角も速度を落とすこと無くキュッと曲がって消えた。


雅「どうしたんだろ?」

潤「気になってるんじゃない? リーダーの呪い」


お爺さんが誰だか知らない翔さんは、どうやら本気で心配をしているらしい。
なんだかんだで大丈夫だろうと鷹をくくっていた俺も、その様子に少し不安を覚えた。


潤「本当に大丈夫かな」

雅「なんたってあのリーダーだからね」

潤「結構老いぼれてたしな...」


やっぱり不安だ。
俺も急ごう。


ガチャ


翔「呪われてるって本当なの?」


早速聞いてた。


智「あ、うん。いや、呪われてるってか」

翔「戻れんの? 大丈夫なのっ?」


胸ぐらを掴む勢いで、リーダーをガクガクと揺さぶっている。


智「あ、や、大丈夫」


揺られるリーダーは相変わらずのらりくらりと返事をして。


翔「どこが大丈夫なんだよっ。もう耳出てるじゃんっ」

智「あら?」

翔「あら?じゃないよもうっ」


ヘラヘラと笑うリーダーには切迫感が無い。
それに業を煮やした翔さんは、更にリーダーに詰め寄る。


智「だぁから」

翔「なにっ」

智「翔くんが心配するからじゃん(笑)」


生えた尻尾をピンと立たせてリーダーは笑う。


雅「あ、俺アレ知ってる」

潤「え?」

雅「尻尾。立たせるのは嬉しい証拠らしいよ?」

潤「へえ...」



“猫のきもち”なる本を、翔さんにプレゼントでもしようかな。



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