
神様の願い事
第2章 秘密
和「なにそれ。また神様?」
雅「あ、うん」
派手に引っ掻かかれている。
和「気を付けてよ。アナタ一応芸能人なんだから」
その引っ掻かれた腕を擦りながら、相葉さんは俺を見つめるんだ。
和「な、なによ」
雅「いや、今日も可愛いなと思って」
和「はい?」
最近の相葉さんは少しヘンだ。
まぁ昔から一緒にいるし仲も良いと思うんだけど、なんかちょっと、最近の相葉さんは違うんだ。
雅「そのアヒルみたいな口、堪んないよね…」
和「え」
熱視線というか、たまに何やら熱い瞳をする。
今だって俺の口元をじっと見つめながらおかしなことを言うんだ。
智「もぉ~」
薄気味悪くて大野さんの所へ避難しようと思ったら、大野さんの困った声が聞こえた。
潤「ふふっ」
智「ふふじゃねえっ。やめろってば」
ソファーに座る大野さんの隣にピッタリと張り付いて、潤くんは大野さんの頭を撫でていた。
潤「ね、気持ちいい?」
智「んぁ?」
潤「生えてないと駄目なのか」
そのピッタリくっついた二人を横目で見ながら翔さんはコーヒーを啜っている。
潤「可愛かったのになぁ」
智「可愛くねえっ」
イタズラっ子な表情で無心に頭を撫でる潤くんと、それをかわそうとクネクネと動く大野さん。
もしや。
潤「どうやったら出るの?」
智「知らねえよ」
あ、やっぱり。
和「もうバレたの?」
智「あ~」
潤「え、ニノも知ってるの?」
折角俺だけが知ってる秘密が出来たと思ってたのに、あっさりバレてやがる。
和「バレたんなら仕方ないけど、あの二人にはバレないようにね?」
智「ん」
潤「なんで?」
和「だって… 相葉さんは心配しすぎておかしくなっちゃうだろうし、翔さんも訳分かんなくなっちゃうでしょ」
潤「なるほど」
じゃあ皆の前では触れないのか残念だなぁと、未だ大野さんの頭を撫で続けている。
智「いいかげんやめなさい」
潤「じゃあ後で触らせてくれる?」
智「やだ」
潤「ええ~」
無邪気な末っ子の相手をする大野さんなんて見慣れてるだろうに、なんで翔さんはあんなおかしな顔をしてるんだろう。
聞けばいいものを聞かないから、思考がおかしくなるんだよな。
