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神様の願い事

第13章 神様の願い事

《sideM》



今日は久し振りに5人揃う。
そんな控え室でどこか俺達はそわそわしていた。


和「治ったかなぁ」

雅「だといいんだけどね」


もっぱら気になっているのは“猫化”の事。


潤「あれから結構経つしね」


こっちから聞かないとウンともスンとも言わないから。
だからそわそわしてるんだ。


ガチャリ


その音に俺達3人は同時にドアに目をやった。


翔「お、はよう」

雅「翔ちゃんおはよ。ひさしぶり」

潤「リーダーは?」


翔さんの後方に目を凝らすとふんわりと動く影が。


智「いるよ」

和「背後霊じゃん(笑)」


いつもと変わらずリーダーは笑いながら楽屋に入ってくる。
でもすぐに振り返った。


翔「報告があります!」


翔さんが急に声を張り上げたからリーダーが驚いたんだ。


智「えっなに言うの」

翔「だってほら、みんな心配してくれてんだから」


ごにょごにょとドアの前で話す姿はいつもより親密さが増したように見える。


翔「えー、みなさんには多大なるご心配をおかけ致しましたが」

雅「うんうん」


相葉くんは身を乗り出して相槌を打ち始めた。


翔「この度めでたく! “猫化”が治りました事を報告させていただきます!」

雅「おぉ~…っ!」

翔「ほんっとうに! ご心配おかけ致しました!」

雅「いや、やった! やったよ翔ちゃん! 凄いよおめでとう!」


まるで戦場から無事生還した兵士のようだ。


雅「よかったねニノ! リーダー治ったよ!」

和「え…」


押し黙って二人を見ていたニノは漸く口を開いた。


和「本当に?」

翔「はい!」

和「本当に治ったの? もう猫耳出ないの?」

翔「出ません!」

和「絶対?」

翔「絶対です!」


ニノは疑い深い。
喜びたいのはヤマヤマだろうけど最終確認を怠らない。


智「うひゃ」

和「どう?」

智「ひゃひゃっ、ちょ、ホント出ないってば」

和「こっちだっけ? 気持ちイイとこ」

智「ばっ、やめ」


さわさわと髪を掻き分け猫耳を探す。
だけどどうやら見つからないみたいで。


和「わ…、ほんとだ」


笑顔の出ないニノはポカンとした顔で喜びを噛み締めてる。
リーダーだってそれが分かっていて。


空気自体が温かくなって。

“幸せ”が一気に充満した。





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