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神様の願い事

第2章 秘密

《sideM》



潤「おはよリーダー。入んないの?」

智「あ、おはよ」


楽屋の前でリーダーが突っ立ってた。
入らないのかと聞いたら、ふにゃっと笑って“ちょっとね”と言う。


ガチャッ


雅「ほら、行くよ!」

和「はぁ? 何で今からなんだよっ」


そのドアが勢い良く開いて、相葉さんがニノの腕を引っ張りながら飛び出てきた。


潤「え、どこか行くの?」

雅「あ、おはよ! ちょっとコンビニにね」

和「だから行かないってば」


行くの行かないだの、ドアの前で押し問答だ。


和「え、なに」

智「いや、ふふ」


何をやってんだと俺は呆れてたのに、リーダーはそんな2人を見てニヤニヤしてた。


智「歯ブラシ買うんでしょ? 早く行ってくれば?」

雅「うん! すぐ戻るねっ」

和「ちょ、相葉さ...っ」


相葉さんのあの眩しい程の笑顔。
それを見ただけで、何かいい事があったんだとわかる。
ニノは迷惑そうな、それでいて少し恥ずかしそうな顔をしてたけど、でも嫌そうじゃ無かったし。


潤「歯ブラシって何?」

智「ん? ん~、自分の歯ブラシが欲しくなったみたいだね」

潤「は?」


話は見えてこないけど、なんだかリーダーは優しい顔で2人の後ろ姿を見てる。
だからまあ、悪い事ではないんだろうと、俺もつられて笑顔でその後ろ姿を見てた。


智「ふぅ...」


だけどそんなリーダーも、楽屋に入るとすぐに笑みは消えて。


潤「どしたの? 疲れてる?」

智「 いや、そんな事はないよ」


いつものようにボーッとし出すのかと思ったけど、今日のリーダーは何か少し違って見えた。


潤「...何かあったの?」

智「え?」


ボーッとしてる時は、本当に惚けてるんだ。
腑抜けた表情で、何も考えて無いんだろうなって思う。
だけど今日は。


潤「なんかいつもと違くない?」

智「そう?」


ソファーに座って伏せ目がちで。

淡々と受け答えをする姿は、表情もあまり変わらなくて。


潤「なんか、リーダーがそんなの珍しいね...」


少し寂しそうに見えた。


伏せ目がちの横顔が儚くて、何か助けになってやりたいと思ったんだ。






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