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神様の願い事

第2章 秘密

《sideA》



要は、自分次第。


神様が言ってた。
だから2人でメシなんて食って、一緒にゲームでもやるかと家に誘ったのに。


雅「...なんか怒ってない?」

和「別に?」

雅「だって勝手に帰ったじゃん。なんで起こしてくれなかったのさ」

和「アンタがスヤスヤ寝てたからでしょ」


いい具合にゲームも白熱してきて、もう泊まりなよなんて言いながら楽しくゲームをしてたんだ。

だけどやっぱ寝ない訳にいかないし、明日に差し支えるからと風呂に入って寝たのに。


雅「なんか、寝る前からおかしかったよね?」

和「そう?」


何を間違えたんだろう。
どうしてこんなにプリプリしてるんだ。


雅「...続きしよう! ゲーム持ってきたんだっ」

和「やんない」

雅「え、だってメチャクチャ面白いって」

和「この間はね」

雅「...今日は?」

和「...面白くないよ。もうやる気無くしちゃった」


絶対おかしい。
体調でも悪いんだろうか。それとも、やっぱり俺が何かやらかしちゃったのか。


雅「...どした? 体調でも悪いの?」

和「気分は悪いよ?」

雅「えっ、大丈夫? なんだよも~、言ってくれたら看病してやったのに」

和「看病?」

雅「だってこの間からおかしいよ? 体調悪かったなら言ってよ」

和「...だから体調じゃなくて気分だって」

雅「え?」

和「オマエがその元凶なのに看病なんて無理だよ」


凄く冷たい。
俺の事なんてこれっぽっちも見ずに、頬杖をついてスマホを弄ってる。
その可愛いアヒル口からは、呆れた溜息しか出ないんだ。


雅「俺が元凶...」

和「デリカシーが無いんだよ」

雅「え...?」


溜息混じりだけど、漸く俺をチラッと見た。
冷たい瞳だけど、俺と合わせるのは上目遣いで。


和「...人の歯ブラシなんて勧めてくんじゃねえよ」


他人の歯ブラシ。
1回しか使ってないとしても、そりゃ気持ち悪いに決まってる。


和「なんでそんなの俺が使わなきゃなんないのよ」

雅「ごめん...」

和「初めてじゃないじゃん」

雅「え?」

和「俺が泊まったの。初めてじゃ無いのにさ...」


あ、そうか。


ニノの歯ブラシ。



買って来なきゃな。







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