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短編集2

第5章 美形×平凡特集

静かに響いた俺の声に礼央の綺麗な顔がゆがむ。





「お前、なにいって.....」



「俺が、今まで礼央に何されたって、何言われたって許してこられたのは、礼央が好きだったからだ。でももう無理だ。耐えられない。」



「聖.....?」




「もう、好きではいられない.......」











「かわりがきく恋ならいらない。」



俺はそれだけ告げて、礼央の家を出た。





後ろから呼び止める声も、追いかけてくる音もしなかった。





それが答えだ。























フラフラと礼央の誕生日プレゼントだけを握りしめて、公園のベンチに座る。






今までよくがんばったよ、俺は。



最悪の別れだったけど、これでいい。





もう疲れてしまった。





「これ、どうしよ.......」




プレゼント、買ったはいいけど無駄になったな......





礼央がずーっと欲しいって言ってたライター。頑張ってバイトしたんだけどな.....







ケーキも、頑張って選んだんだけど.....







”チョコプレートのお名前どうされますか?”



”あ、じゃぁ、礼央でお願いします。”


”かしこまりました。お友達ですか?”


”えっと、はい......一番大切な人です....”




そのあと、素敵ですね!と店員さんは笑った。




それがすごく嬉しかった。




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