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teardrop

第7章 7滴

更年期障害がツボに入った紗英は笑いっぱなしだった。

「おいっ!こっちのクソガキ」

急に新崎に呼ばれた透花は少し怯えながら返事をする。

「お前も俺をおっさんだと思ってんの?」

透花は首を横に振った。

「あの、でも…更年期障害…?」

更年期障害が何の事かはよくわかってない透花。

新崎は何かの病気を抱えてると勘違いして、丁寧に「お大事にして下さい」と労りの言葉をかける。

紗英が更に笑い出して「お腹が痛い」と言っている。

「この、クソガキ供がぁ…切り刻んでやろうか」

ワケもわからないまま「ごめんなさい!」と、すぐに新崎に謝る透花。

彩は「おっと…更年期、爆発だ…」と言いながら紗英の後ろに隠れる。

紗英が笑いを堪えながら新崎に「大人げない。そーやって昔からすぐにムキになるとこ全然、変わってないんだから」と言う。

後ろに隠れてる彩にも「あまり、大人をからかっちゃダメだよ」と注意する。

そして、小声で「更年期が悪化しちゃうじゃない」と言った。

「はーい…新崎さん、すいませんでした」

紗英に注意されて素直に謝る彩。

「紗英っ、聞こえてたぞ!」

賑やかな光景の中、透花は雰囲気に馴染めず新崎の怒鳴り声に怯えてばかりいた。

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