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teardrop

第7章 7滴

まだバイトを始めたばかりの頃を思い出しながら話す彩。

「ちょっと家でゴタゴタしてた時期で…そのせいで遅刻や無断欠勤が多くなってた時期があったんだ…」

その頃、仕事の合間に色々と愚痴や話を聞いてくれてた紗英。

「無断欠勤が続いて、オーナーからクビって言われそうになってたんだけど、新崎さんが庇ってくれてたみたいで…」

新崎は仕事の間に聞こえてた彩の話や、紗英から事情を聞き、彩がクビにならないようオーナーを説得していた。

「オカゲでクビにならずに済んだ」

黙って話を聞いてた透花は『彩がクビになってなくて良かった』と思った。

「だから、新崎さんは今でもアヤがクビにならないよう思ってくれて、叱ってくれるんだと思う」

透花はよく怒鳴る新崎が苦手と思っていたが、彩から話を聞いて優しい人なんだと思い直す。

「そっか…怒ってばかりいるから怖いと思ってたけど…えっと、更年期障害…だっけ?病気なら仕方ないしね」

しんみりしてた雰囲気の中、彩は透花の発言を聞いて突然、笑い出す。

そして透花に更年期障害が何かを教えた。

更年期障害がどんなものか知らなかったとは言え、自分が新崎にとても失礼な事を言ってた事を思い出す。

「もぉ、彩が変な事を言うから…どうしよう…私、凄く失礼な事言っちゃった…」

落ち込む透花に彩は「大丈夫だって」と宥めながら笑っていた。

彩という友達ができ、アットホームな職場の環境で透花は次第に明るくなっていった。
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