テキストサイズ

teardrop

第1章 1滴

ゴールデンウイークが過ぎても、噂はまだ収まらずにいた。

ある日、透花がお昼を食べてると友人が声を潜めながら透花に、ある話をした。

「そう言えば私、噂で聞いちゃったんだけどさぁ…真紀のグループにいる志穂(シホ)っていんじゃん」

「志穂?」

透花は志穂が誰かわからなかった。

友人は話を中断して志穂は真紀と一番仲良しで、よく真紀の横にいる子だと説明した。

前にトイレで睨んで舌打ちした子の事かな?と思いながら透花は顔を思い浮かべる。

「その志穂がさ、透花に告白した成宮の事を好きだったらしいよ」

透花は「えっ!?」と言いながら驚く。

「前にも言ったけど成宮って人気あるからね。志穂と成宮って同じクラスだし、ちょっと仲良くしてる感じだったから好きになるのもわかる気がするけど…」

透花は手に持つ箸を止めて黙って聞いていた。

「それでね、透花が告白される前に志穂が成宮に告白してたんだって。けど、フラれたんだよね。成宮が他に好きな子がいるからって言って…」

透花は下を向いて、箸の先でお弁当のオカズを突っつきながら黙って聞いてた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ