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teardrop

第2章 2滴

突然、真紀が身を捩らせて悲鳴をあげた。

透花は左手で真紀の前髪を掴んでいた。

髪を巻き付けるように手首を捻らせながら、自分を痛めつけてる相手を確認するように志穂を見る。

真紀は苦痛に顔を歪める。

「痛い!何、すんの!離してよっ!」

透花は手元で騒いでる真紀の顔を冷めた目で覗きこむ。

そして静かに「…あんたこそ、私に何してんの?」と囁いた。

その様子はまるで別人のよう。

喋り方も目付きも違う透花がそこにいた。

透花の左手は更に力が入り、髪を強く握って引っ張りあげてく。

真紀が再び悲鳴をあげる。

途端に透花の腕から力が抜け、掴んでた髪が指からスルスルと抜けていく。

手に残る真紀の抜け落ちた髪の毛を見ながらその場で深く息を吐き出して呟く透花。

「あら…残念。せっかく今から面白くなると思ったのに…まだ無理…な…のね…もう少し…かか…る…」

遠退いてく意識で声が途切れ途切れになっていく。

また 今度 遊んで ア ゲ ル ♪

真紀と志穂を目に焼き付けながらニヤリと笑うと膝から崩れて透花はそのまま失神した。

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