teardrop
第2章 2滴
真紀の横で様子を見ていた志穂も、前に出てきて透花を睨み付けながら言う。
「暫く反省会すんのやめてあげてたのに、ちょっと甘くしたらすぐこれだからね。今までの反省会も意味無し。全然、わかってないじゃん」
透花は志穂の言葉に黙り込んで目を合わさない。
志穂が何を言っても透花は何も答えなかった。
答えたとこで何も変わらないか、あげ足を取られるだけだと解っていた。
「何、無視してんだよ!」
志穂が大きく怒鳴ったと同時に透花の足のスネを蹴る。
それがスイッチかのように、真紀も透花の頬に平手打ちをした。
透花は何度か平手打ちされるが父の暴力に比べれば力は弱い。
今まで家でやってきたように相手の気がおさまるまで我慢しようとした。
しかし、我慢する姿は生意気な態度ととられ、更に真紀達の怒りを買った。
二人から叩かれ蹴られ、突き飛ばされて倒れもしたが真紀の仲間はすかさず透花を起き上がらせた。
真紀達は透花を罵倒しつつ執拗に暴力を加えて袋叩きにする。
流石の透花も声を殺しながら涙を流す。
いつもなら父親の怒鳴り声がスイッチとなって少しの間、感情を消して我慢できた。
だが、なぜかこの状況の中、感情を消しきる事ができずに恐怖心と惨めさでいっぱいになる。
透花はただただ、早く終わるのを願う事しかできず思わず心の中で叫んだ。
『…誰か…誰か助けてっ!!』
強くそう思った瞬間
透花の意識はまるで静かな暗い水の中へと沈んでいくような感覚で意識が遠くなった。
「暫く反省会すんのやめてあげてたのに、ちょっと甘くしたらすぐこれだからね。今までの反省会も意味無し。全然、わかってないじゃん」
透花は志穂の言葉に黙り込んで目を合わさない。
志穂が何を言っても透花は何も答えなかった。
答えたとこで何も変わらないか、あげ足を取られるだけだと解っていた。
「何、無視してんだよ!」
志穂が大きく怒鳴ったと同時に透花の足のスネを蹴る。
それがスイッチかのように、真紀も透花の頬に平手打ちをした。
透花は何度か平手打ちされるが父の暴力に比べれば力は弱い。
今まで家でやってきたように相手の気がおさまるまで我慢しようとした。
しかし、我慢する姿は生意気な態度ととられ、更に真紀達の怒りを買った。
二人から叩かれ蹴られ、突き飛ばされて倒れもしたが真紀の仲間はすかさず透花を起き上がらせた。
真紀達は透花を罵倒しつつ執拗に暴力を加えて袋叩きにする。
流石の透花も声を殺しながら涙を流す。
いつもなら父親の怒鳴り声がスイッチとなって少しの間、感情を消して我慢できた。
だが、なぜかこの状況の中、感情を消しきる事ができずに恐怖心と惨めさでいっぱいになる。
透花はただただ、早く終わるのを願う事しかできず思わず心の中で叫んだ。
『…誰か…誰か助けてっ!!』
強くそう思った瞬間
透花の意識はまるで静かな暗い水の中へと沈んでいくような感覚で意識が遠くなった。