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teardrop

第5章 5滴

いざ話そうと思ってもどこから話せば良いかわからない。

松本自身もまだ色々とわからない部分もあった。

「過呼吸の事を聞いてから、トーカちゃんが心身症になった原因を考えてたんだけど…」

「親とうまくいってねーからじゃねーの?…珍しい話でもないだろ」

「うん…でも、それだけじゃないと思う」

「他に何かあんの?」

松本は頷く。

「トーカちゃんは学校で…いじめられてたっぽいんだ」

思わぬ話の展開に藤沢は一瞬、松本の顔を見て「いじめ?」と聞き直す。

「考えてみたら、トーカちゃんっていつの間にか友達から避けられてて一人ぼっちになってたんだ…」

「シカトされてたって事か?」

「いや…シカトと言うよりも、トーカちゃんに関わって巻き込まれないように…だね」

「巻き込まれるって…何に?」

松本は少し間を置いて「…真紀ちゃん達に」と答えた。

「はぁ?…真紀が望月をいじめてんの?そう言えば昨日も望月に真紀がどーのこーのって、聞いてたよな」

藤沢は前日の松本と透花の話を思い出す。

「ちょっと待てよ。その前に聞きてーんだけど…何でマツがそんな事を知ってんだよ?」

疑問に感じた藤沢は不思議そうに松本に聞いた。

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