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誰も愛せない

第1章 予感…

「マスター、会計お願い!」

「今日は手伝ってくれたから俺の奢りだ!」
マスターはニッコリ笑いながら言った。

「じゃぁ…お言葉に甘えて!
ご馳走様でした。」
祐一はそう言うと席を立ち…

「マスター…俺…
あの子なら…
変われるのかかなぁ…?」
祐一は少し不安気に言うと…

マスターは愛おしむ顔で
「だといいな!」
そう言った。

祐一は頷いて店を出た。

祐一は店から歩いて3分ほど
とこに住んでいた。


部屋へ入ると祐一はソファーに
座り、深いため息をつきそのまま
ソファーにゆっくり横になって
寝てしまった…


プルルルルッ…プルルルルッ…
祐一は電話で飛び起き電話に出た。

「もしもし…」

「もしもし、遅くにごめんなさい
有紀です。祐一さんですか?」

「ああ、中谷です。」

「ごめんなさい、寝てました?」

「横になってたらいつの間にか寝てた
でも助かったよ。ソファーで朝まで寝てしまうところだった。ありがとう。」

「迷惑じゃなくて良かった。」

「全然。」
とは言ったものの、ふと時計を見ると
1時前だった…
確かに普通迷惑な時間だよなって
言うか、普通は寝てるだろ…


「遅かったから電話するか
迷ったんだけど…
今日のお礼が言いたくて…
今日はありがとうございました。」

「お礼?何で?」
お礼言われることしたっけ?

「今日は話し出来て楽しかったから
そのお礼が言いたかったの。」

「いいえ、こちらこそありがとう。」
って…
良い子だなぁ…

「あっ!番号出てますよね?」

「出てる。登録させて貰うね。」

「本当に遅くにごめんなさいね…
それじゃ…おやすみなさい。」

「ああ、おやすみ。」
祐一は電話を切って何をするでもなく
電話をしばらく眺めながら考えていた…
当分は俺からは連絡するのは
やめておくかなぁ…

この日から…
祐一の止まっていた歯車が
回り始め全てが動き出す…

それは…希望の光か…
それとも…絶望なのか…


















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