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誰も愛せない

第2章 変化…

展示場に到着すると…
商談スペースに祐一と同世代の夫婦
が座っていた。

展示場へ来ているにしては暗い面持ち
で座っていた…

祐一は石井さんの肩を軽く叩き
夫婦に自己紹介を始めた。

「〇〇支店の営業の中谷です。」
和かな笑顔で名刺を出した。

慌てて石井さんが祐一に説明しようと
するが、祐一は優しく頷いて座った。


「お客様どの様な事でお困りでしょうか?
私で宜しければ、是非お手伝いさせて頂き
たいと思います。」

祐一のその言葉でその場の重い空気が消え
夫婦の顔も少し明るくなった。

その様子を見て石井さんの表情も
和らいだ。


すると夫婦が…喋り始めた…

「一ヶ月位前からハウスメーカー探し
の為に展示場を回ってるんですけど…
いいなぁ〜って思うメーカーでは
お客様の年収では当社では難しい
ですね。って何社も言われたんです…。」

「そうなんですか。」
祐一は優しく言った。

「私達では戸建を建てるのは
無理なんでしょうか…?」
再び、夫婦の顔が曇る…

「大丈夫ですよ。私がお手伝い致しますから。」
祐一はまた、優しく言った。

「是非、お願いします。」
夫婦は頭を下げた。


そして、夫婦からのヒアリングが始まった。




ヒアリングも終わり
「お客様。確かに条件は厳しいです。
お客様に妥協して頂く所も出てくると
思いますが、出来る限りの要望を叶え
られる様に頑張ります。
それで宜しければ、私と一緒に計画を
進めてくださいますか?」

祐一の言葉は祐一の容姿からは想像
出来ない熱い言葉でした…

「是非、お願い致します。」
夫婦は嬉しそうに祐一に言った。

祐一は立ち上がり、手を出し
握手をした。

「では、お客様ヒアリングを元に
プランを作成します。出来ましたら
ご連絡致しますので。
今日は長い時間お疲れ様でした。
では。」

そう言って祐一は夫婦を送り出した。


「あぁ〜石井さん。ごめんねぇ。
遅くなっちゃったねぇ…」

さっきとは打って変わって、いつもの
軽い口調で祐一が言う。


「いえぇ…私が呼んだので。
でも良かったです。
ちょっと、…」

「はい!話は後で!
展示場閉めちゃいましょう」
祐一は石井さんの話す途中で止め、
て言った。」

石井さんは面喰った感じで…
「は、はい!」
急いで片付け始めた。








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