テキストサイズ

誰も愛せない

第1章 予感…


「また連絡して」

「後でしても?」

「良いよ。」
祐一は優しく答えた。

「じゃぁ…遅くならなかったら
連絡するかも…」

祐一は優しく頷いた。

「店の外まで送って行くよ」
祐一はそう言うとカウンターを出て、
有紀と店を出た。

「ここでタクシー拾うから、あっ!
契約書はまた今度だね」
有紀は笑いながら言うと…

「契約書はあるよ」そう言って
有紀にキスをした…

有紀は驚き祐一を突きはなそうとしたが…
契約書を理解したのか…
そっと祐一の腰に手を回し…
しばらくキスをしていた…

そっと祐一は唇を離し、
「契約書にハンコ貰いました」
そう言うと有紀はもう一度軽くキスをして

「じゃぁ行くねっ!」
祐一が優しく頷くと有紀はタクシーに
乗り込んで行った。

走り去るタクシーを少しの間
見送り店へと戻って行った。


店に戻ると団体客が清算して店を出る所だった。

「ありがとうございました。」
マスターがお客さんを見送った。

「ありがとうございました。」
祐一も一緒にお客さんを見送って
カウンターに座った…

「祐一、助かった。ありがとうな」
マスターが祐一を労った。

「で…話し盛り上がってたなぁ」
マスターが少しカマをかけてきた。

マスターカマかけてきたかぁ…
そんな手には乗らないぞっと…

「悪いな…祐一…聞くつもり
なかったんだが…聞こえてね…」
マスターはニヤけながら言って
祐一にビールを出した。

「これは盗み聞きのお詫び?
それとも手伝いのお礼?」
祐一は笑いながらマスターに言った。

「ははあぁ、二つとも正解!」

どっちもかよ…
「っで…何を聞きたいのかな?」

「俺が聞きたいのは…
お前の気持ちだよ。
あの子に何で自分の事を話した?」
マスターは優しく問いかけた。

「何でかなぁ…
俺にもよく分からないんだけど…
つい…喋ってしまった…
同病相憐れむってヤツかなぁ…」
そう言うと祐一はビールを飲み始めた。

正直俺もびっくりしてるだよ…
何で話したのかって…
…。
俺はあの子に救われたいのか?…
あの子なら俺の心を溶かしてくれるのか?
祐一は自分に問いかけていた…












ストーリーメニュー

TOPTOPへ