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誰も愛せない

第2章 変化…

祐一が待ち合わせのカフェに着くと
坂上が先に着いていた。

「お疲れ。」

「お疲れ様です。コーヒー何時もの
頼んでおきましたよ。」

「ああ、ありがとう。っで
話って…?」
祐一は早速切り出した。

坂上はゆっくり話し出した…
「昨日…自分
香織ちゃんと三上主任が
給湯室でキスしてるの
見ちゃったんですよ…」

えっ!そんな事を言うのにわざわざ
時間作らせたの?

「って……。それだけ…。」


「それだけじゃないですよ〜。」
潤は笑いながら答えた。

「なら、良かった。っで…。」
祐一は急がせるように言った。

「っで…、その後に…中谷は副社長派
だから、監視してくれよって言ってたん
ですよ…香織ちゃんに三上主任が…
なんか意味深だったんで…」

そう言うと潤は不安気な顔をした。

祐一は昨日の三上がホテルに入って行った
事を思い出していた…

「ありがとうな。潤…出世の為に
何か企んでるんだろ。
おれは出世に興味無いのにな。」

潤を安心させる為に祐一は言った…

が…祐一は不穏な空気を感じていた…
それが…近づいている事も…


「そうですよね。やっぱり出世の事
ですよね。」
潤は祐一の思惑通り安心している様に
言った。

「でもショックだったですよ〜
香織ちゃん…実は狙ってたんだけどなぁ…」
悔しがる潤に祐一は。

「お前じゃ…
香織ちゃんは無理だよ」
笑いながら祐一は言った。

「ですかね〜やっぱり…。」

「だよ。」

祐一と潤は顔を見合わせ笑った。




祐一は店を出て会社に戻った。


社に戻ると、井上係長が祐一を見るなり
電話中であったにも関わらず、受話器を
手で塞ぎ祐一を呼び止めた。


「あっ!ちょっと待って!
中谷!今から〇〇展示場いけるか?」
慌てた様子で井上係長が言った。


祐一は一度時計を見て…
「今からなら大丈夫ですよ!」
特に予定を入れてはいなかったが、
忙しそうな言い回しをした。


井上係長は
「良かった!ちょっと待ってくれ。」
と言うと、電話で祐一が行く事を伝え
電話を切った。

「中谷。悪いなぁ…〇〇展示場の
石井さんから応援頼まれたんだ。」

「用件は直接展示場で石井さんに聞いて!
私は今から会議だから宜しく頼むよ」
井上係長は祐一にそう言うと会議に向かった。

祐一も状況が掴めないまま展示場に向かった。





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