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果てない空の向こう側【ARS】

第8章 握る(雅紀)

次の日の夜、ミッチャンはうちに来た。

俺はミッチャンと二人、母さんの前に座った。

雅「母さん、話があるんだ。」

母「何よ、あらたまって。ミッチャンまで。」

母さんは、ミッチャンに冷たい麦茶を出した。

雅「実は、赤ちゃんができたんだ!」

智「ブフォッ!」

ソファでテレビを見ていた智兄が、飲んでいた炭酸飲料を吹き出した。

母「赤ちゃんって…、ミッチャン、それ本当なの?」

母さんは、驚いた様子だったが、さすが看護師だけに落ち着いている。

ミ「うん、検査薬試したら陽性だった…。」

母「で、二人はどうするつもりなの?」

雅「もちろん結婚するさ! 男の責任だからね!」

俺は、胸をドンとたたいた。

母さんは、俺とミッチャンの顔を見渡した。

母「お母さんはあなたたちの結婚に反対しないわよ。ミッチャンは雅紀にはもったいないくらい素敵な女の子だもの。」

雅「当たり前じゃん! ミッチャンは最高にかわいいんだから!」

母さんは、俺のことは無視してミッチャンの手を握った。

母「おめでとう。」

ミ「あ、ありがとう、おばさん…。」

ミッチャンは涙ぐんだ。

母「で、ミッチャンのご両親には話したの?」

ミッチャンは黙って首を横に振った。

雅「明日、ミッチャンのご両親にもきちんと話をしに行くよ。」

母「そうね…。お母さんも一緒に行くわ。」

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