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果てない空の向こう側【ARS】

第11章 果てない空の向こう側(智)

智「そうだ、美大の時のデッサンの本、リリーちゃんに貸してやろう。」

俺は部屋に戻ると、しまいこんであったその本を探して和也の部屋に向かった。

ノックしてドアを開けると、和也がリリーちゃんをベッドに押し倒してキスしてた。

俺の登場に驚いた和也に、俺はデッサンの本を投げつけた。

智「エ、エロいことすんなって言っただろおっ!」

俺はきつくドアを閉めて、自分の部屋に戻った。

智「あー…。」

俺はベッドに倒れこんだ。

和也がリリーちゃんとそういう感じになってるのは、薄々感じていた。

俺は、美大を卒業してから女と付き合っていない。

もう何年も女を抱いていない。

智「あーーー!」

俺はぐしゃぐしゃと頭をかき回した。

俺は起き上がると机の引き出しを開けて、中身を引っかきまわした。

奥から出てきた煙草の箱から、一本抜いてマッチを擦って火を点けた。

室内に甘い香りが立ち込めた。

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