ディアブロ☆~共同生活約150日~
第14章 初めて
「ただいま…。」
『琉斗くん!大丈夫…じゃないですよね?』
午後10時を回る頃
琉斗くんは一人で帰宅した。
「点滴したから大丈夫。
てか俺は大丈夫だったんだけど
みんなから目死んでるって言われて
逞からは周りに迷惑かかったら大変だから
出番終わったら帰れって言われた。」
そう言って重そうな腰をソファに下ろした。
『今朝あまり食欲無さそうだったから…
スープにしました。
ちゃんと食べて、病院で貰った薬飲んで
今日はゆっくり休んでくださいね。』
私は温めたスープを琉斗くんに渡した。
「体調管理出来ないなんて
プロ失格だよな。
しかもこんな大事な時に。」
琉斗くんは落ち込んでいるのか
身体がだるいのか
小声でボソッとつぶやいた。
『最近急に寒くなったし…
忙しい時期と重なって
体調崩しやすいんですよ。
せっかく今日早く帰れたんだから
ゆっくりしてください。』
「ありがと。」
時間をかけながらスープを
飲み終えた琉斗くんは
自室へ戻って行った。
(そう言えば…氷枕とか冷えピタとか
あった方がいいよね?
顔赤かったし…。)
私はそう思って近所の
スーパーへ急いで向かった。
―コンコンッ。
氷枕と冷えピタを買ってきた私は
それを抱えて琉斗くんの部屋をノックした。
―ガチャ…。
「どうした?」
『あの、氷枕とピタ買ってきました。
顔赤かったから少し冷やしたらいいかなぁと思って。』
「ありがとう。頭痛かったんだ。」
『じゃあ何かあれば呼んでくださいね!』
「うん。」
琉斗くんにそれを手渡して
扉を閉めた。
それからしばらくして
メンバーみんなで夕食を
外で済ませて帰ってきた。
「琉斗くん、大丈夫かな。」
『今ゆっくり休んでると思いますよ。』
心配する奏太くんに
私はそう答えた。